【感想】みにくいモジカの子 ※ネタバレあり

※過去ブログからの再掲になります

 

どうもこんばんは。

私は「グラブル」というソシャゲをプレイしているのですが、

ゲーム内のギルド的なものである「騎空団」のメンバーの方から、

「感想文を提出して」

と脅さr......言われたので感想を書いていきます。

 

今回感想を書くのは、Nitro+より発売された

みにくいモジカの子

です。

©Nitroplus

 

もうパケ絵から不穏さを醸し出しているこちらの作品。

シナリオは下倉バイオ先生で、

原画ははましま薫夫先生です。

 

エロゲ界隈に詳しい方でしたら、もうこの時点で気づかれるでしょう。

あ、この作品どう考えてもやべー奴だ。と。

 

大体その認識で間違いありません。それでは感想をば。

 

※以下ネタバレを大量に含みます。

 

  • あらすじ

主人公である種崎捨は絵にも描けないほどの醜い外見を持っており、

それを理由にいじめられていた。

捨は他人の心を視ることができる「モジカ」という能力を持っており、

それを視たくないという理由で常に俯いたまま暮らしていた。

しかし、密に恋心を抱いていたクラスメイトより嘘の告白をされたことがきっかけで、

捨は学園への復讐を決意する……。

 

  • 登場人物

種﨑捨

主人公。醜い外見を理由に虐められている。

その行動の性質から、結構人格的にもクズな発言や行動が多いけど、

そこまで非情にはなれないんだなー、というのがとても人間らしい主人公。

「モジカ」の能力で色んな人に復讐をしようとするけど、そもそもの対人スキルが低いため、

ちょっとトチることの方が多いお茶目(?)な面も。

 

双葉みゆ CV.懸田毬絵

クラス内カーストが捨に次いで低く、虐められているヒロイン。

いじめの一環で捨に嘘の告白をする。

他人の顔色を窺って過ごしているため、学内の人間関係に精通している。

それを利用して、捨と共に学園への復讐を試みる……。

作中で一番可哀そうなことをされる子。

復讐が上手くいきだすと段々とヤバい本性を露わにしてくれます。

©Nitroplus

怯え顔が可愛い。

 

四月一日胡頽子 CV.水奈月ひなん

名前が読めない。

これで「つぼみ ぐみ」って読むらしいです。すげー。

ガジェット系に詳しく、学内で全校生徒に配布されているタブレットのフィルタリングの解除などを請け負っている。

そしてそのタブレットにウイルスを仕込んで、他人のプライバシーを盗むこともしばしば。

と、中々の曲者。自分の√では超絶ド変態になります。

 

 

九鬼綺羅々 CV.あかしゆき

いじめの主犯格。

話を紐解いていくとどんどん可哀そうになってくる系ヒロイン。

まぁやってることがクズなので自業自得って言われたらその通りなんですけどね……。

それ以外は特に語ることなし。まぁ悪くないヒール役です。

 

花椿 CV.木村あやか

私の癒し。

学園のある樹望町に存在する「魂正神社」の巫女。

「モジカ」の力をもってしても心を読めないという特徴を持つ。

その原因はまぁ後ほど解説するとして、彼女の√では欠落した彼女の感情を戻そうと主人公が奮闘する、といった他のヒロインの√とは毛色の違うものとなっています。

 

©Nitroplus

かわいい。

 

許斐鳴子 CV.桃井いちご

ラスボス系ヒロインになれなかった残念な生徒会長。

euphoriaの合歓のなりそこない。

ぶっちゃけた話をしてしまうと、主人公に起きる様々なことの原因がだいたい彼女に収束している。

が、最初にみゆ√に入ってしまうとただの小物生徒会長と勘違いしてしまいがちなので、黒幕とは気づかないということも。

私はまんまとそれにハマり、鳴子√にたどり着くまでに幾度ものバッドエンドを繰り返しました。

 

©Nitroplus

こんなの噛ませだって思っちゃっても仕方がないです。

 

  • 各ルートについて

​​​​​​​個別√についてですが、鳴子√はTRUE扱いなのでまずは他の子の√から。

みゆ、胡頽子、綺羅々、椿の4名の√に共通するものは

ヒロインが「本当に欲しているもの」を主人公が何らかの方法で与える、といった話になっているところだと思ってます。

みゆには「復讐」を。

胡頽子には「欲望の解放」を。

綺羅々には「本当の愛」を。

椿には「感情の揺れ動き」を。

それぞれ与えていると思いました。

いや……正直胡頽子√と綺羅々√は色々と破滅的すぎて、上に書いた字面に見えるちょっと幸せそうな雰囲気なんかは全くございません。

ヒロインからしたら幸せだったんでしょうが、周りから見ると完全に破綻してます。

じゃあ他の2ヒロインは幸せだったのか?と言われるとそれもNOです。

みゆ√も椿√も主人公ヒロイン共に幸せそうに終わるのですが、

みゆ√にて、心からの笑顔を見せたみゆを見た捨は、とても幸せそうにしていましたが最終的にそのみゆに殺されちゃいますし。

椿√は、まぁ二人は幸せなキスをして終了みたいな感じになるのですが、それも全部幻覚だったりしますし。

まぁ、捨が当初の復讐という目的を次第に忘れ、

ヒロインの心から求めているものを与えようと奔走する様は見てて清々しかったです。

その過程はぜんっぜん清々しくないですけどね!!!!!

 

  • TRUEエンドについて

TRUEエンド感想の前に、ちょっと必要な情報を列挙させていただきますと

 

・学園のある樹望町には「コンセイサマ」と呼ばれる異形が祀られている。

・「モジカ」こと「他心通」の能力はコンセイサマに飲み込まれて、生きて帰った人が持っている

コンセイサマに飲まれると持っている欲望を増幅させられ廃人となってしまう

・そのために「カンヌキ」という心を読ませない能力を持つ人がいる。巫女の椿などがそれにあたる。

・樹望町は古来よりコンセイサマと孤児を利用して他心通を持った人間を生み出し、世に輩出してきた

・捨だけでなく、実は鳴子も元孤児で捨とは幼馴染。他心通を手に入れたため永業の養子となった。

・鳴子は永業に復讐するため捨に「カンヌキ」を習得させようと――

いやいや待て待て待て。必要な情報が多すぎる。

ちなみにこの情報の8割くらいがTRUE√確定してから明かされる情報です。

超絶勘のいい人じゃないと他√をやっているだけでは気づきません。

 

まぁつまり、今までの捨への仕打ちはすべて鳴子が仕組んでいたことでした。

ということです。

しかしここで残念な点が一つ。

今までの行動は、捨にカンヌキを習得させ、同じく他心通とカンヌキを持つ永業に対抗する戦力にするための行動だったはずなのだが、

 

鳴子は、特に捨を利用することなく永業を出し抜いて、そのまま殺してしまいます。

 

…………。

 

貴様、そんなことのために椿ちゃんを寝取ったのか!!!???

 

……捨の心を折るための行動として、鳴子が椿の心を開く、という展開があるのですが。

ちょっと説明すると、TRUE分岐する際に、捨はコンセイサマに飲まれかけている椿を見捨ててしまうのです。

(椿√ではそれを助け出すという展開になる)

なお、椿√では、助け出した椿の心を開くため、主人公が頑張って、そうやって心を開いた椿は主人公を愛してくれる、という結構幸せな話になるんです。

椿の心をモジカしたものの中には、唯一「気持ち悪い」や「醜い」といった、捨を嫌悪する言葉が無かったのです。

だからこそプレイしてて幸せを感じられましたし、あぁ、良かった……となったわけなのです。

まぁ結局コンセイサマ倒そうとして失敗して夢オチエンドになるんですが。

 

話をTRUE√に戻しますと、そんな椿が、鳴子のことを様付けで呼び、

縛られた捨の目の前で、鳴子とペニバン百合ックスしながら、

捨のことを「気持ち悪い」「醜い」と全力で嫌悪するのです。

 

別に√分岐した話なので、こういうのはだいぶ間違っているとは思うのですが、

すっごい寝取られた気分でした。

私の心はそこで折れてしまいました。(豆腐メンタル)

 

その時はもう辛くて辛くて。

前述した騎空団の方がいるDiscodeのボイチャ鯖に入って、

「ヒロインにヒロインを寝取られた~~~~~~」

と一見意味の分からないことを、開幕早々のたまったくらいでした。

 

とまぁそんな感じで。

行動の割には結局意味なかったよね?という展開に、少しだけ唖然としてしまいました。

以上、TRUEエンドの雑感です。もうちょい話すことはあるのですが、それは総評で。

 

  • 総評

​​​​​​​TRUEの感想がちょっと雑な感じで終わってしまいましたが、

このゲーム基本的に高水準でまとまっており、流石はNitro+といった感じでした。

とくに、相手の顔を見るor見ないで分岐していく展開は目を見張るものがあり、

通常の選択肢を提示されるよりも攻略難易度が跳ね上がっており、とても楽しかったです。

 

↑攻略中に自分でまとめていたスプレッドシート。BADハマりしているのがよくわかる。

 

このゲームのシナリオが最終的に言いたかったこととしては、

「美しさの中にも、醜さがあり。醜さの中にも、美しさがある。」

ということだったかなと感じています。

それは鳴子と捨のことだったり。まぁ世の中すべてのことに言えることなんじゃないかなと思います。

 

また、追い詰められた人の精神描写が、他作品とは違った視点から切り込まれていて、

他人の心を読める主人公ならではの、良い描かれ方だったと思います。

 

だからこそ、諸々の元凶である鳴子の動機の説明や必要性が乏しく、その辺が残念なところではあるのですが……。

 

ですが、企画した人が、やりたいことはやった!というのが分かる作品だったので、

これをベースにもっと追求された作品が生まれることを期待しております。

 

以上、「みにくいモジカの子」感想でした。

またも支離滅裂な感想を読んでいただきありがとうございました。

 

原稿用紙3枚分と言われた感想がいつの間にか原稿用紙10枚分になっていたのですがそれは……。

 

 

正直、比較対象としてeuphoriaが挙げられちゃうのが分が悪いというかなんといいますか……。

 

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