【感想/レビュー】AMBITIOUS MISSION【ネタバレあり】

注意
本記事にはAMBITIOUS MISSIONのネタバレを含みます。
閲覧の際にはご注意ください。

好きなアンビシャスはAmbitious Eve。
どうもこんにちは。お久しぶりです。

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全く関係ない楽曲の情報で冒頭を飾ったところで。
お久しぶりとは言うものの、ちょっと前にヘンプリの記事上げたじゃないか、と思ったそこの貴方。
まぁ実際その通りなのですが、あの記事は衝動的に書いたせいで体裁もめちゃくちゃ、挨拶の序文すらない、且つそんなので書きあげるのに3カ月かけた迷文でして。
実際にはここから再開となります。どうぞよしなに。

 

 

作品概要

タイトル AMBITIOUS MISSION
メーカー SAGA PLANETS
発売日 2022年5月27日
ジャンル

謎解き怪盗アドベンチャー

原画

ほんたにかなえ、とらのすけ

有末つかさ、羽咲せいか、夏彦

シナリオ

さかき傘

HP

AMBITIOUS MISSION|SAGA PLANETS

 

あらすじ

舞台は日本にある北の大都市・沙幌。

主人公・根津御影は、生まれ育った孤児院・根津院の経営を助けるため、
違法であるビルの高所工事のアルバイトをしていた際に、
世間を騒がせていた怪盗・ミスアルテの犯行現場に居合わせてしまい、
ひょんなことからその正体がクラスメイトの有瀬かぐやであることを見抜いてしまう。

正体をバラされたくないかぐやは、御影を怪盗の仲間になるように誘う。
躊躇う御影だったが、怪盗になれば根津院を買収の魔の手から救えるかもしれない、とかぐやに問いかける。

「根津院を買うための金は、お前の仲間になれば盗めるか?」

「家族の居場所を守りたい、それがあなたの真実なのね」

そう言った彼女――怪盗・ミスアルテは買収事件の"真実"を盗み出し、
見事根津院を救ってみせた。

「見る人のハートとため息を盗む。それが怪盗よ」

「わかった。俺も手を貸そう。あんたの"野望"とやらに」

そして御影は怪盗・ミッドナイトとして、
ミスアルテと共にその野望を叶えるため、沙幌の夜に飛び立った――

 

体験版部分までの感想

導入パートとして

ほとんどあらすじで語った通り。
いや、ホントにその通りで、導入としてはめちゃくちゃ良いんだけど、
正直設定的なところをもうちょっと語ってくれれば引きとしても完璧なのになと。

体験版パート後に開示されるかぐやの目的とか、敵対組織とか、
共通部分としていい出来になっているので是非プレイしてみてほしいところ。

 

登場人物たちについて

根津御影(主人公)

ヒロインの本郷虹夢曰く、「人当たりの良い陰キャ」。
物心がつく前から孤児院で生まれ育ち、多くの兄弟に囲まれて育ったため、
実家である根津院への愛着が深く、院を出て一人暮らしを始めてからも定期的に顔を出して、幼い弟妹たちにお菓子を買って帰るほど。

クラスでも男友達は多く、バイト先でも気に入られていることから人付き合いは得意な様子。
ただ同年代の女子と接することだけ少し不得手な模様。
年上・年下なら大丈夫そうなのだが。

また、かぐやが目を見張るほど運動神経が良く、
高めの塀を壁キックを使い易々と乗り越えられるほど。

ってここまで書いてて思ったのが、そんなん陰キャちゃうやん!
クラスで一番の爽やかイケメンよりは目立たないけど、
ちょっと陰があるけど実は優しいみたいなそういうイケメンじゃん!
そういう設定要らないから!素直にイケメンとして描け!!!

というのはさておき、根底に家族を守りたいというシンプルな願いがあり、
その行動理念に素直に共感しやすい主人公像となっているのはGood。

 

有瀬かぐや

昼は穏やかで優しいが、ちょっと近寄りがたいお嬢様。
夜は世間を騒がす優雅な怪盗、なメインヒロイン。

品行方正・成績優秀・周囲からの評価も高い完璧お嬢様。
のように見えるが実は苦手なことも多く、得意に見せているのは努力の賜物。

特に運動は苦手で、怪盗として活動するときは様々な補助パーツを駆使し、
華麗に宙を舞っているが、生身だと御影どころか虹夢よりも体力がない。

怪盗モードの時はプライド高めのお嬢様になるが、
別にそれが本性というわけでは無く、あくまで誰にでも優しい女の子の一側面である。

とある目的のため、とある宝石たちに執着しているらしく――

という感じで、基本的には人当たりのいいカリスマお嬢なのだが、
どこか危なっかしいところが見え隠れするのがポイント。

乳キャッチから始まる出会いもある。ホンマか?
石川弥栄

体験版時点だと、ちょっと人見知り気味なお隣の後輩ちゃん。
仲良くなってからがこの子の本領発揮。
礼儀正しく、どこか人懐っこい小動物系後輩として接してくれる。

実家が茶道の家元で、お茶はもちろん料理も得意。
御影の食生活が乱れていることを知ってからは、料理を作りに来てくれるほどの世話焼き。

そんな彼女には実は裏の顔が――

というヒロイン。
彼女の情報については体験版後に明かされることが大半なので、
今の時点だとここまでしか言えないのが……

こういう後輩系ヒロインやらせたらピカイチな声優さんが演じているので、
是非味わってみてほしいところ。

作中でも動物呼ばわり
本郷虹夢

可愛い・明るい・優しいの三拍子そろった学校中の人気者。
読者モデルをしており、学内ではちょっとした有名人。

かぐやがあまり目立たないよう過ごしているため、
学内一の美人と言われたら虹夢を挙げる人の方が多いらしい。

怪盗としての活動現場に偶然居合わせたことから、かぐやの仲間として活動を始める。
本人曰く、怪盗部のファッションリーダー。
口が軽そうに見えるが、実際は義理堅く、ちゃんと考えて行動している。

家族のために危険なバイトをしていた御影を高く評価しており、
元々人当たりが良いクラスメイトと思っていたため、御影のことをかなり好意的に見ている。

姉が農業をしており、その手伝いをする家族想いな面も。

評価(ネタバレなし)

評価基準は以下の通り。
シナリオ:50点満点
グラフィック:25点満点
キャスト:10点満点
サウンド:10点満点
システム:5点満点
の合計100点。
基本的に減点方式。
シナリオ以外の評価は甘め、致命的な問題が無い限り減点はほぼ無し。
ヘンプリの感想よりシナリオ比重上げました。そっちもコレ基準で直します。

評価基準を明示したところで、本作の評価は以下の通り。

シナリオ 40点
グラフィック 25点
キャスト

10点

サウンド

10点

システム 4点
合計 84点

以下に各項目の評価ポイントを記す。

 

シナリオ

・最大瞬間風速がデカい作品

さかき傘の描くシナリオは大体そう、と言ってしまえばそれまでなのだが、
この作品もTRUEシナリオの出来が格別のものになっている。

詳しく書いてしまうと全部のネタバレになるので、それについては後述。

・個別ルートも良し

だからと言ってTRUE以外がダメというわけでは無く、個人的には虹夢ルートなどは特に良かったと思う。
私たちのような現代一般人にも共感できるようなヒロインの悩みについて、
怪盗というテーマを駆使し、一つの答えを提示している。

社会問題とエンタメを上手に絡めた良いシナリオだったと思う。

攻略順は虹夢⇒弥栄⇒かぐや⇒TRUEがおススメ。

・社会問題提起について

怪盗という行為で、悪人の所業を白日の下に晒す、という作品の性質上、
現代的な社会問題に触れることが多く、それについてライターの思想が色濃く出る場面がしばしばある。

バックボーンが余り詳しく描かれないキャラについては、
ライターの代弁感が若干強く、その点については好みが分かれるところだろうと思う。

 

グラフィック

・構図について

主人公関連のスチルの出来が良く、特に印象に残っている。
ヒロイン関連についても水準自体は高く、問題という問題は無いのだが、
ちょっと思うところがあったので、それは後述。

 

キャスト

良い。
シャルちゃん可愛い。

 

サウンド

正直結構OP好き。BGMも良し。

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システム

テキストウィンドウ内のボタンがすべてアイコン表示なのが死ぬほど使いづらい。
これ次回以降は改善してほしいところ。

 

↓ここからネタバレ含む

※これより先ネタバレを含みます。
未プレイで内容が気になった人はここでUターン!

 

個別ルートについて

虹夢ルートのテーマは「数字とモノの価値」。
物の価値について、数字で表せるもの、表せないもの。
どちらが良くて、どちらが悪いという話ではなく、どちらも必要なことである。
というのを人工ダイヤの価値と現代におけるSNS上での価値に掛けて上手く描いていた。

弥栄ルートは「盗むべきもの、盗まれたもの」。
街を守る次代の盗人たらんとした少女は、何故先代のその姿に憧れたのか、
が主軸のこのルート。
展開としては王道で、弥栄ちゃんが16代石川五右衛門として覚醒していくシナリオを、根津与吉が起こした事件に絡めて描かれていた。

かぐやルートは「運命」。
この手の中にあるもの。この手の中に掴んだものこそが運命。
運命というものを見誤った少女が、間違いに気付くまでの物語。
と言ったところで、かぐやが狙っていたアンビシャス、ひいてはアレクレピオスが何か判明するのがこのルート。

虹夢⇒弥栄⇒かぐやと攻略することで、
沙幌の街で起きたこと・起きていることが徐々に分かっていくという作りになっているため、
個人的には攻略の場合この順番を強く推奨したいレベル。
逆に言えば、虹夢や弥栄のルートでは、事件の核心に迫ることができないため、
各ヒロインに関わる問題以外は若干消化不良で終わってしまうのが玉に瑕か。
ただ、後述するTRUEシナリオが個別で残った謎を上手く回収してくれるので、
全てプレイしてみればあまり気にならないポイントになるはず。

TRUEルートについて

導入

このルートは、怪盗としての活動中の事故で、御影が生死を彷徨う大怪我を負うところから始まる。
そんな御影を助けるために、かぐやの叔母・幌子がアレクレピオスを使い、御影の時間を巻き戻すことで怪我を治す。
アレクレピオスを起動したとき、根津与吉が暗躍を始める。

はい一旦ストップ。
個別ルートのところの説明で、アンビシャスが、ひいてはアレクレピオスが何かってのを説明していなかったので、ここで説明します。

アレクレピオスとは

医術の神と言われていた道具だが、その正体は時間を操る秘宝だった。
本体であるレコード盤に、12個のアンビシャスと呼ばれる宝石を嵌め込むことで、その真価を発揮するようになる。
その能力は大まかに分けて2つ。

一つは、対象の時間を巻き戻すこと。
もう一つは、使用者を中心に時間を操作すること。

TRUEルートの序盤、幌子は1つ目の能力を使い、御影の時間を戻し傷を治した。
かぐやルートの終盤、かぐやは2つ目の能力を使い、過去に戻りあてなを救おうとした。

2つ目の能力には致命的なデメリットがあり、
それは使用者は元居た時間から消え去り、
周囲の人間からは使用者の記憶が徐々に失われてしまうこと。
また、同じく使用者も元居た時代の記憶を徐々に失ってしまう。

非情に扱いづらい能力を持った厄介な代物である。
また、能力を使う際に世界の時間が一瞬止まるという副次的な効果があり、
それが後述する根津与吉の目的に関係してくる。

根津与吉の目的とアイヌの子守歌

個別中でも度々登場し、暗躍をしている根津与吉。
その目的は、不破霊元が作り上げ、全世界で使用されている仮想通貨・Fコインの管理権限を我が物とし、
Fコインが取引されることにより生まれる利益を手に入れることである。

そこで関わってくるのが作中で幾度も話題に上がる、
Fコインのセキュリティを解除するための「アイヌの子守歌」。
ただの音の集まりであればすぐに解除できたのだが、
アイヌの子守歌の完全再現にはこの世に存在しない音階が必要だった。

その正体は、完全なる無音。
時間が止まったときだけに生まれる、0の時間に在る音。

この完全なる無音が訪れたとき、Fコインの管理ツールのロックは解除される。
そしてそれは、アレクレピオスを使用した時に訪れる。

つまり、TRUEエンドの冒頭で御影に対しアレクレピオスが使われた瞬間、
根津与吉は裏でFコインを手に入れたということになる。

そうして手に入れた資産を使い、与吉は沙幌市そのものを自らのものとするため動き始める。

Fコインの管理権を根津与吉が握ったことを知った御影は、
それを奪い取るために行動を開始する。

様々な人を辿り、ついに見つけたその方法。

それはアスクレピオスを使い過去に戻り、
Fコイン管理ツールのパスワードに使われるアイヌの子守歌を書き換えること。

怪盗の最後の仕事と、20年前の真実

幌子から提示された管理権を奪い返す方法は、
アレクレピオスを使い時を遡り、子守歌の譜面を書き換えること。

しかしその方法にはすべてを失いかねないリスクがあった。
幌子は自らを犠牲に解決しようとするが、それを出し抜いた御影はアレクレピオスを奪取、
あてなに必ず戻ると誓いを立てた後、過去に戻ることを選んだ。

アレクレピオスを使用した瞬間、御影は過去に遡る走馬灯を見る。
最近の記憶。子供のころの記憶。赤子のころの記憶。
これ以上遡ったらどうなってしまうのか、となったその時。

次に浮かんだのは、怪盗ファントムの記憶だった。

と言うところで、どうしてこうなっているのかってことと、御影の正体について補足。

根津御影の正体、それはアスクレピオスの影響で赤子になってしまった、
不破霊元の息子・不破沙取であり、怪盗ファントムその人である。

ここに至るまでに何があったのかと言うと、

怪盗ファントムこと不破沙取、幌子たちと共に母を救うため怪盗を始める

アレクレピオスを手に入れた沙取、何度もその力を行使するが上手くいかず

アレクレピオスの影響で肉体の時間だけが巻き戻り、幌子の助けで根津院に預けられる

根津御影として第二の人生を歩み始め、今に至る

散々ファントムに似てると色んな人に言われ続け、
出自や両親が分からないためプレイヤーからはファントムが父親なのでは、と思われていたがミスリードでした。
アレクレピオスの正体を引っ張ったが故に上手く作用した伏線でしたね。

話をアレクレピオスを使った御影に戻しまして。
過去に遡ることに成功した御影だったが、意識しないと御影としての記憶を忘れてしまいそうな感覚に襲われる。

沙取の過去を追体験することで、その侵食はより強くなり。
ついには過去に来た目的を忘れてしまう。

そんな中、アンビシャスを盗み出す最中で有瀬の家へ身を隠した沙取。
そこで幼いころのあてなと出会い、言葉を交わす。

 

「怪盗さん、盗むことはよくないことですわ」

「勿論良くない。だから、盗んでいい物なのかよく考えるのさ」

「盗んでいい物なんてありますの?」

「ため息と、ハートを盗むんだ」

 

よくわからない、という顔をするあてなに、沙取は続ける。

 

「この手の中にあるものが」

「どんな価値があるのかなんて、きっと誰にも分らない」

「だからかな、何もかもを手に入れたくなるのは」

 

「だってほら、100の宝石を手に入れたって」

「たった1輪の花より美しいかは、誰にも分からないだろう?」

 

ここで開幕の意味深な回想を回収していくという粋な演出。
スズランの花をプレゼントされたあてなは、沙取にこう告げる。

「わたくしもいつか怪盗になって」

「あなたのハートを頂戴しますわ」

それは、過去に戻る前、あてなと交わした言葉。
この言葉を聞いて、沙取の記憶に侵食されていた御影は、自らの記憶と目的を取り戻した。

過去にあるアイヌの子守歌を書き換え。
元の時代へと、御影は戻って行った。

そしてアクセスキーは書き換わり、沙幌市は与吉の手から離れた。

ここがこのゲームの最大瞬間風速。
ライター的にはゴールデンタイムって言った方がいいのかもしれん。

あてなの言葉によってテキスト中の沙取の表記が御影に変わるところは、
ベタではあるがADVゲームならではの良い演出だと思う。

 

総評

ワンシーンに特化することの功罪

当初の評価でも最大瞬間風速が売りとは言っており、
当該のシーンについては個人的に手放しで褒めていい出来だと思っている。

が、これは良いところだけではなく、
個別の評価にもある通り、謎を残すことによる消化不良感と、
TRUEへの布石として扱われている感が否めないとは思う。

描きたい本筋が増えることにより、各ヒロインについてもキャラの魅力を示す描写が少しずつ失われており、
個人的にはキャラが一番立っていたのがサブキャラであるシャルちゃんというところも見逃せない。
(シャルちゃんは怪盗パートでの登場シーンが多いうえ、その中でもかなりのインパクトを残している)

特にTRUEルートのヒロインであるあてなに関しては、
重要なポイントとしての会話パートは確保されてはいるのだが、
御影と恋仲になるところなどは若干描写不足なのではと思う。

 

イベントCGについて

エロゲの大きな魅力であるイベントCGだが、
今作においてはその魅力が若干欠けていたと個人的には思う。

ゲームをプレイした後にどんなものだったか思い出す際、
エロゲであれば印象に残ったイベントCGが浮かぶのではないかと思うが、
今作はそれで思い浮かんだのがヒロイン周りではなく全部主人公だったという。

あてなの病室の窓辺に現れる御影。
虹夢の広告をバックに立つ御影。
アレクレピオスを使い、過去の姿を遡っていく御影。

2つ目は虹夢もメインだから、あまり一概には言えないとも思うが……

今作は主人公だけ原画担当が違うのだが、
果たしてこの構図に関するインパクトの差も原画家に由来するものなのか、
ディレクションの差なのか、ちょっと気になっている次第である。

あとかぐやルートの一番大事なシーンで出てくる、
かぐやを御影が抱きとめるCGだけはどうにかならんかったのかと。

割といいシーンなのに構図がアレなせいでイマイチ盛り上がりに欠けるというか……

おわりに

とまあ、全てが全て褒められる作品ではないということは、
ここまでの私の言で理解してもらえたと思うのだが、
それを差し引いてもTRUEルートのワンシーンは目を見張るものがあり、
シナリオライターのさかき傘氏の今後を期待させる作品になっていると思う。

買って後悔するような作品ではないことは間違いなく言えるので、
気になった方はぜひ買ってプレイしてみよう!

 

これも先月中には感想書き終える予定だったのになぁ……

【感想/レビュー】ヘンタイ・プリズン【ネタバレあり】


注意
本記事にはヘンタイ・プリズンのネタバレを含みます。
閲覧の際にはご注意ください。
それでは、対戦よろしくお願いします。

 

 

作品概要

タイトル ヘンタイ・プリズン
メーカー Qruppo
発売日 2022年1月28日
ジャンル 露出狂のプリズン脱獄ADV
HP https://qruppo.com/products/henpri/

あらすじ

主人公の少年、湊柊一郎は公衆の面前で露出を行うことに自己表現を見出していた、所謂露出狂である。
公然わいせつ罪に類する行為が当然許されるはずもなく、3度目の逮捕を経験した柊一郎は遂に実刑判決を言い渡される。
判決は懲役10年。
公然わいせつとしては法外の判決を受けた柊一郎は、更生不能と判断されており、幻の9つ目の矯正管区、性犯罪者専用の「チューリップ・プリズン」への収監が決定してしまう。
このプリズンでは、犯罪者たちに人権は無く、強権を振りかざす看守たちに蹂躙されていくばかり。
絶海の孤島に作られた牢獄で、柊一郎は生き残れるのか――

といったところ。

同ブランドの前作「ぬきたし」が、性に寛容すぎる開放的な南の島を描いたのに対し、
今作は性を極限まで抑圧された嵐の吹き荒ぶ寂れた島が舞台になっている。

体験版部分までの感想

本作体験版部分までをプレイして、私が抱いた本作のテーマは
「社会的に許容されない欲求を持つ人間が、それを代替する自己表現に目覚める話」
露出をすることでしか自己を表現できないと思い込んでいた柊一郎は、千咲都の詩と出会うことで文章による表現と出会う。
やがて柊一郎はシナリオ担当の千咲都、イラスト担当の妙花、プログラム担当のノアとのゲーム制作にのめり込んでいく。
しかし4人が制作したゲームは、プリズンで行うレクリエーション活動において相応しくない性的なもの、と一蹴されデータを破棄。主導した柊一郎は地下の懲罰房に送られるという重罰を受けてしまう。

だが柊一郎は諦めていなかった。再びゲームを完成させるために立ち上がる――
というのが体験版までのお話。

ここで一旦本作のネタバレ抜きの評価を書いておく。

評価

評価基準は以下の通り。
シナリオ:40点満点
グラフィック:30点満点
キャスト:20点満点
システム:10点満点
の合計100点。
基本的に減点方式。
シナリオ以外の評価は甘め、致命的な問題が無い限り減点はほぼ無し。

評価基準を明示したところで、本作の評価は以下の通り。

シナリオ 38点
グラフィック 30点
キャスト 20点
システム 10点
合計 98点

以下に各項目の評価ポイントを記す。

シナリオ

・シナリオの一貫性、設定の有効活用
⇒全編を通して何を描きたいかハッキリとしている。
主人公とヒロインが、自らの罪と向き合った上で理不尽なプリズンからどう自由になるかを描き切っている。
そのため、主要人物が犯罪者たちであることがシナリオ上大事な要素となっており、設定にちゃんと意味がある。
・キャラクターの魅力
⇒主人公やヒロインはもちろん、サブキャラ含め魅力的。
特にソフりんや小沢。
・秀逸なギャグによる緩急の付いたシナリオ
⇒舞台が監獄であるため、重く描こうと思えばずっと重く描けるのだが、
そこはぬきたしで名を馳せたQruppo、ギャグパートを程よく挟むことで重いシナリオも苦にならず読めるようになっている。

こんな感じ。どんな感じだよ。

グラフィック

かなり印象に残るレベルのイベントスチルがいくつもあるレベルの高水準。
是非シナリオと一緒に楽しんで欲しいところ。

キャスト

これもまた高水準。
メインキャラはもちろんモブに至るまでインパクトが強い。
特にソフりん。

システム

ArtemisEngine採用。
基本的な機能は全て備えてあり、ゲーム内からアップデートができるのがポイント高め。

 

※以下よりネタバレを含みます。
未プレイの人はまだ遅くないので買いに行こう!
DL販売もやってるぞ!!

 

それぞれのヒロインについて

千咲都

2022年この子を幸せにしてあげたいヒロイン選手権優勝候補。

両親が無くなり施設に入るもたらい回しにされた挙句、最後にたどり着いたのが子供を食い物にする悪徳団体。
虐待行為に耐えかねて爆弾を自作し、施設の大人を殺害。
施設の大人2名の殺害の容疑だけでなく、父親の死が不審死だったとしてその罪まで擦り付けられ、性犯罪者専用になる前のプリズンに投獄。
生まれつき赤く染まった右目が怖かったというだけで看守や囚人からの恨みを買い、1年足らずで問題行動多数により更生不能の烙印を押される。
その後担当刑務官になった夕顔葉月により、地下の更生不能房へと落とされてしまう。
それ以来夕方の1時間以外の自由時間はなく、最悪の環境で数年を過ごす。

世間のどこにも、犯罪者の集まるプリズンにさえ居場所がない。
だから、現実はいつもビターエンドだ。
と、厭世的な彼女の居場所を作ってあげるのが千咲都ルートのお話。

自己以外の存在が希薄だったために孤独だった少年と、
周囲から拒絶され続けたが故に孤独だった少女。

自己以外が世界になかった少年は、己のすべてを擲ってでも守りたい存在を手に入れて。
生きることを諦めかけていた少女は、醜く足掻いても共に生きていきたいと思える存在を手に入れた。

私こういう関係がめちゃくちゃ好きでして。
柊一郎が更生不能房に落ちてきた時の千咲都のリアクション、相模恋さんの名演も相俟って強く印象に残ってる。
オタクは泣いた。

あと実は年上なのがバレたときの反応とか、地味にお姉さんぶってるところとかも可愛くて好き。
一生みんなに愛されながらダークなボケを垂れ流してほしい。

紅林ノア

2022年ルートに入る前と入った後で印象変わりすぎ選手権優勝候補。

ルートに入る前は、クールでクレバーな少女。
ルートに入った後は、姉が絡むと完全にポンになる天才少女。
姉であるソフりんに看守を辞めさせるためにプリズンに来た、
ってとこまでは想像できてたんだけど、ここまでシスコンだったのは想像してなかった。

本編中でも語られていたが、柊一郎とノアは割と似通った特性を持つ。
柊一郎の世界には自分とアマツくんだけ、ノアの世界には自分と姉だけ。
柊一郎はアマツくんを第一に動き、ノアは姉を第一に動く。
そこに気付いた柊一郎が、ノアに共感を覚えるところから大きく物語が動き出す。

ただこのルートで浮き彫りになる最大の問題が二人の前に立ち塞がる。
それは「自らが犯した行為に対する悪気が無い」ということ。
このルートの途中、具体的にはソフりんに説教される前までは、柊一郎もノアも自分がやった行為を悪いと思っていないのだ。
それは良くない。このゲームの主要キャラはあくまで犯罪者なのだ。彼らがしでかしたことは社会的に許されないことであり、それを自覚し、反省をする必要がある。

そこに立ち塞がる壁が、上記で言及しているソフりんの説教である。
詳細は後のソフりんについて書いた項にて記すが、罪を犯してまで自分を追ってきたと嬉々として語るノアに対し、ソフりんは痛烈な批判を叫ぶ。
またそれは柊一郎にも向けられた言葉であり、二人はそれまでの自らの行いを見つめなおす。ここがノアルートにおける起承転結の「転」であろう。

これまでの自分を見つめなおした柊一郎とノアは、やがて己の執着の外にいた存在を理解し始め。
変わり始めた二人は強い絆で結ばれ始め、互いが互いの片割れと呼ぶまでになる。

この二人の関係も良すぎるんですよね……
深い信頼のもとに作られた戦友のような関係。良いよね。
特に保護房から出されて、互いが脱獄方法について口を割らなかったのを知ったときとか。
あと
「私たちは、互いに欠けてるものがある」
「ふたり一緒なら、その欠陥を補い合えることもない」
「欠けている場所がとても近い場所だから」
「欠けを埋める必要はない。そのまま生きていけばいい」
ってとこ。
言葉だけ見ると共依存のように感じるけど、互いが互いを真に思い合う、鋼のような精神を持つ二人であれば、呪いの言葉もこれから歩む道を祝う言葉になる。
合理性の塊たちに生まれた、非合理的な結びつき。
良いよね。

波多江妙花

2022年盃を交わしたいヒロイン選手権優勝候補。
俺たちの組長。

千咲都ルートも、柊一郎の「彼女のために何かをしてあげたい」という感情の発露による物語であったが、妙花ルートも根本はそんな話だ。
その根源が「救済」であるか「奉公」であるかの違いはあるが。

このルートにおいては、妙花の在り方に惚れ込んだ柊一郎が、何か彼女の力になれればと波多江組の面々に付くことを決める。
次第に恋情に近い感情を覚えるが、ここでこの感情について聞いた相手が悪かった。いや、むしろ良かったのか?
聞いた相手はノア。
「その人のことを考えると胸が熱くなるんですよね」
「頑張って背中を押してあげたくなるんですよね」
「グッズとかあったら買っちゃいそうなくらい応援してるんですよね」
「なら……"推し"ですね」
ホンマか?

ノアの影響で柊一郎の推し活は加速する。
やがて妙花がプリズンに来た目的を知り、その解決に向けて協力していくことになる。
その道中で「ZEN-GI-OH」なるTCGを作って金を稼ぐパートがあり、本作中でも屈指のネタシーンなのだが、その話はまた今度。

話を戻して。
妙花ルートでは我妻看守長の手により、多くの囚人が洗脳されてしまう。
波多江組の面々も例外ではなく、最終的には妙花と柊一郎は、お互い以外は全て敵といった状況に陥ってしまう。

苦しい状況の中、解決の糸口を必死に探し、常に危ない橋を渡る生活。
暫くして、互いが互いを失いたくないと強く思うようになる。
そして、打倒我妻看守長のために敵対している夕顔看守長を味方に引き入れるという細い糸を漸く掴んだ二人。
しかし、夕顔看守長の要求は苛烈。妙花を守るため、柊一郎は身を切ってその要求に応える日々。
そんな日々の中で、ついに柊一郎は己の中にある妙花への愛情に気付き、思いを告げる。
が、既に妙花の精神は限界にあった。組の面々が次々と離れていく中、最後に残った柊一郎を失いたくないと強く思っていたところへの突然の告白。
常に保っていた組長としての体面が剥がれ、等身大の少女としての一面を露わにし、「情けないだろう?」と柊一郎に問う。
が、その程度で推しに幻滅する柊一郎ではない。
全てを受け入れると言う柊一郎に対し、妙花もその告白を受け入れる。

ベタだからこそいいですよね、カッコいいヒロインの本音を知る瞬間。
強いところと弱いところ、そういった妙花の魅力を余すことなく描いた、とても良いルートだった。

サブキャラクターについて

ここからは個性豊かなサブキャラたちについて。
全て書いていると頭がおかしくなる文量になるため、今回は3人だけピックアップで。

ソフりんの存在

愛すべき我らがソフりん。
作中で一番普遍的な価値観を持った、普通の人。
彼女が居なかったらこの作品にここまでの深みは生まれていなかったと思う。

妹との関係に苦しみながら見つけた、犯罪者更生に携わる道。
どんな犯罪者も更生できると信じて、プリズンで働く毎日。
しかし現実は甘くなかった。
更生し出所した担当囚人が社会に受け入れられず自死を選び。
信じていた担当囚人に裏切られ、暴動を起こされ。
そんなことが積み重なり、輝いていた瞳はいつしか濁り、消えない隈と眉間の皺が出来た。

作中当初、理不尽の象徴だった彼女。
ノアルートなどを通しその本質が明らかになるにつれて、私はどんどん愛おしさを覚えていった。
これがℒℴѵℯ……

ここで突然ですがソフりんの真面目モードで好きなシーン三選。

一つ目。
ノアルートでの説教シーン。
これが無ければ柊一郎とノアは自分がしでかした行為の重さに気付くことは無かった、非常に重要なシーン。
犯罪行為を断じて許さない正義感と、それでも犯罪者に更生してほしいと願う優しさが、彼女の中で鬩ぎ合っていたが、ノアの態度によって弾けてしまった。
犯罪行為を詰る言葉に始まり、ノアへの確執から、無力な自分を責める自己嫌悪へ。
ソフりんというキャラの本質が初めて見えたシーンなのではないかと思う。

二つ目。
妙花ルートで炭鉱への海水注入により柊一郎が殺されかけるシーン。
普段どれだけ迷惑を掛けられている人間だったとしても、その命を失わせてはならないと真剣に怒るソフりんと、同情するフリをしながら柊一郎を始末しようとする我妻看守長。
人間性如実に表れるシーン。ホンマ我妻看守長って何なんや。
泣きながら「生きてる!!!」って言うところまでが100点。

三つ目。
ノアルートで自分を庇って重傷を負ったノアへ語り掛けるシーン。
自らの行いを悔いるノアに対し、
「ずっと前から嫌いだった。天性の才能も、無神経さも」
「死んでしまえばいいと思うこともあった。殺してしまおうかとも思った」
「やったことを許してはやれないし、心から好きになってやることもできない」
と、言っていることとは裏腹に、穏やかな口調で語ったあと。
「生きていてほしかった、生きてて良かった」
優しい言葉を掛けた。
何故か。
それはお姉ちゃんだから。
どれだけ迷惑を掛けられても、妹、家族なのだ。
家族でもない犯罪者にでさえ優しくなれる彼女が、家族であるノアを見捨てられるはずがない。
が、彼女は純粋な善人ではない。
家族に対し薄暗い感情も抱える、目的のためには暴言・暴力も辞さない。
優しすぎて不器用な、等身大の人間なのだ。
そんな彼女のことがよく分かる、とても良いシーンだろう。

「生きてる!!!!(天丼)」

他にも語りたいことはあるのだが、クソデカ感情になりそうなので一旦ここまでにしておく。

樋口先生の話

この作品を語るうえで外せないもう一人のサブキャラクター。
そう、樋口先生である。
彼女は医者として、プリズンの支配から外れた存在として囚人に接する。

看守からは理解不能・クズの犯罪者として詰られ。
他の囚人からは露出などというしょうもない犯罪者として蔑まれ。
唯一の友達すらも否定され。
心が擦り減っていた柊一郎に、優しく、否定せず、ただ会話をしてくれたのが樋口先生。

彼女が居なかったら柊一郎は刑期が終わるまでプリズンで死んだように過ごしていたかもしれない。
そのくらい投獄後の彼の成長に影響を与えた人。

彼女は聖人でもなんでもない。
居場所を失いたくないという欲もあれば、柊一郎のことを完全に理解してあげられたわけでもない。
間違いもするし、嘘もつく。必要とあらばルールも破る。
それでも、彼女だけが、最初から最後まで柊一郎に寄り添った、唯一の大人なのだ。

一番印象にあるのは最終盤。
死刑を宣告され懲罰房に幽閉された柊一郎に、解雇されプリズンを追い出されることを告げに来たシーン。
柊一郎は目的のために自分自身をも殺せてしまう人間だと気づいていたのに、
それを止められなかったと自分を責めるように懺悔をする樋口先生。
最後まで大人としての責任を果たそうとしたその姿に、オタクは見るたび見るたび情緒をぐちゃぐちゃにされます。
あれはそうなっちゃうんや。

まとめ

このゲームで表現したかったこと。
それは「表現は自由であるべきだ」ということ。

特に昨今、性的コンテンツへの風当たりは強い。
犯罪を助長するとか。非実在の存在であれ犯罪だとか。性的消費だとか。
何かと理由を付けて表現を奪いに来る。

しかし。
ヘンタイ・プリズンはそれを否定する。
何者にも、己から湧き出た表現を奪うことはできない。

分かり合える仲間たちと、作り出す表現。
それが出来ることが、どれだけ幸せか。
このゲームを通して、それが伝えたかったのではないかと私は思う。

以上、「ヘンタイ・プリズン」のレビューおよび感想でした。
2月頭に書き始めたはずが、いつの間にか6月になっていたぜ!!

【2021年GW】FANZAのセール終わっちゃうので滑り込みでおススメのエロゲ紹介する

GW中で一番大きな買い物はデドダム4枚。

どうもこんばんは、八街です。

 

今回はタイトル通り、FANZAのセールで安くなってるゲームから、

おススメのタイトルをぶん投げていく記事になります。

 

GW始まる前にやれや!!!!!!

って言うのは私が一番わかっています。

 

でもランスシリーズずっとやっててスマガ以外の記事書く時間が無くて……

ちなみにランスは今戦国ランスやってます。頑張る。

 

前置きはここまでにして、本題に入っていきましょうか。

今回はおすすめのゲームを購入推奨度でA、B、Cに分けて書いていきます。

それではどうぞ。

 

 

 

  • 購入推奨度A(頼むから買ってくれ)

購入推奨度Aのゲームはエロゲやってない人でもタイトル聞いたことあるんじゃね?

ってくらいの名作をぶん投げていきます。

 

1つ目はサクラノ詩

タイトル

サクラノ詩 −櫻の森の上を舞う−
発売日 2015年10月23日
発売元
シナリオ すかぢ、浅生詠
原画 狗神煌、籠目、基4
2015年の萌えゲーアワード大賞を受賞した名作中の名作です。
このゲームの特徴は、何といってもそのシナリオ。
ザックリとあらすじを説明すると、
 
世界的な画家である父親を亡くした主人公、草薙直哉は天涯孤独の身となってしまったが、
親戚であり担任教師でもある夏目藍から、藍とその弟妹が暮らす夏目屋敷で暮らさないかと提案を受ける。
すったもんだあり夏目屋敷で暮らすようになった直哉の前に、編入生として6年前に引っ越していった幼馴染、御桜稟が現れる。
そして腐れ縁の美術部部長、鳥谷真琴から美術部の勧誘に巻き込まれたり。
新入生として入学してきたもう一人の幼馴染、氷川里奈と再会したり。
思わぬ再会に始まった3年生の新学期が幕を開ける。
 
といった感じです。
序盤は上記の美術部を中心に、そして後半は世界的な画家であった父親関連のことを中心に話が進んでいくため、
このゲームのテーマは"芸術"と言っても過言ではないでしょう。
 
とか小難しいことは抜きにして、ホントに全人類に買って欲しい1作。

 

 次はG線上の魔王

タイトル

G線上の魔王
発売日 2008年5月29日
発売元 あかべぇそふとつぅ
シナリオ るーすぼーい
原画 有葉

 

これに関してはもう何も言うことは無い、往年の名作。

緊張感のあるシナリオによって彩られる、命を懸けた純愛。

これも全人類にプレイしてほしい。

 
  • 金色ラブリッチェ

次は金色ラブリッチェ。

タイトル

金色ラブリッチェ
発売日 2017年12月22日
発売元 SAGA PLANETS
シナリオ さかき傘
原画 ほんたにかなえ、とらのすけ
 
個人的にサガプラ史上最高の名作。
ポップな雰囲気の中で、人生における"ゴールデンタイム"とは何か、
という命題に直球で向き合った作品。
先に紹介した2作品よりは軽い気持ちで手を付けられると思うので、ぜひに。
 
 
  • ランスシリーズ(01,03) 

4つ目はランスシリーズについて。
色々あるが今回はリメイク作品をピックアップさせてもらいます。
 
現在発売されているのはランス1とランス3のリメイク版。
それぞれ原作の流れを忠実に汲みつつ、現代において受け入れやすいようゲームシステム、キャラクターデザインやキャラの言動をリメイクしている。
ランスが結構丸くなっていたり、旧作ファンからは若干物足りないとの声もあるとかないとか。
 
魚介先生の可愛らしくもリビドーの詰め込まれたイラストも必見なので、是非。
 
 
  • 購入推奨度B(悪いことは言わないから買ってくれ)

購入推奨度Bは知っている人は知っている、且つ私が推したい作品です。 
 
  • キミのとなりで恋してる!

 購入推奨度Bの1つ目はキミのとなりで恋してる!です。

タイトル

キミのとなりで恋してる!
発売日 2014年11月28日
発売元 ALcotハニカム
シナリオ おぅんごぅる
原画 もとみやみつき

 

個人的に最強の妹ゲー。

ザックリとしたあらすじは、

ある日主人公の関谷秋人は、祖母から「早く嫁の顔を見せてくれ」と言われ、

1週間で嫁にふさわしい相手を紹介できなければ見合いをさせると脅されてしまう。

「急にそんなこと言われてもね……」と兄の言葉を代弁しながら、兄の乳首を楽しそうに弄っている妹の恵の傍ら、

秋人は結婚するにふさわしい相手を見つけることができるのだろうか――

 

という感じです。主人公は陸上部のマネージャーをしており、

且つ元々自分自身も陸上をやっていたスポーツ男子です。

その辺りのこともシナリオの根幹にかかわっており、非常に爽やかな出来になっています。

 

また、個人的に妹ゲーと称していますが、妹を攻略できるルートはありません。

妹を攻略できるルートはありません。

 

なのに何故妹ゲーと言い張るのか、是非プレイして確かめてください。

 

 

 お次はあの晴れわたる空より高く、です。

タイトル

あの晴れわたる空より高く
発売日 2014年9月26日
発売元 チュアブルソフト
シナリオ 範乃秋晴、草壁よしお
原画 ちり、まんごープリン
 
2014年萌えゲーアワード の準大賞・シナリオ賞を受賞している実力作。
日常的にエロゲをやる人は知っているのではないかと思います。
 
あらすじとしては、
主人公、隼乙矢の住む"天ノ島"では宇宙航空開発が盛んにおこなわれており、
主人公が通う天ノ島学園の宇宙航空学科には、未来のロケット技術者を目指して毎年全国から多くの学生が集まっている。
 
「ね。一緒にロケットを作らない?」
との誘いを宇宙航行学科の暁有佐から受けた主人公は、
ロケットを愛する仲間たちと、ロケットにかける青春へと身を投じていく――
 
といった感じの青春部活モノとなっています。
ロケットに全てをかける登場人物たちの情熱と非常に詳細なロケット知識に裏付けられた名作です。
 
 
  • 恋愛、借りちゃいました

 次はアサプロの恋愛、借りちゃいましたです。

タイトル

恋愛、借りちゃいました
発売日 2019年7月26日
発売元 ASa Project
シナリオ 八日なのか
原画 冬壱もんめ、結城リカ、夕凪セシナ
 
個人的にアサプロで一番いいシナリオしている作品。
 
あらすじは、
重度のシスコンである主人公、新海幸は"金は妹を幸せにする"と信じ、夜遅くまでバイトに勤しんでいたが、
ある日妹から、幸が進学しないのなら自分もせず、働きに出ると告げられる。
そんな苦労を妹にさせるわけにはいかないと、急遽進学用のまとまったお金を用意することになった幸は、レンタル人材派遣の仕事に登録する。

果てしなく胡散臭かったが、背に腹はかえられないと働き始めた仕事で、

なぜかクラスメイトの女子から彼氏のフリを頼まれ……
さらには愛人、友達からお兄ちゃんまで!?
お金を受け取ってから始まる、彼女たちとの偽の関係の顛末や如何に!

 
といった感じです。
このゲームについては、メインヒロインの絵未と八純、そして主人公の三人の関係性がメインになってきます。
こういったキャラゲーには珍しく、お互いの√に異常に干渉をしてきます。
その干渉具合が、普通のキャラゲーにはない面白さを演出していると思います。
絵未と八純の√分岐の選択肢は必見です。
 
 
  •  購入推奨度C(気に入ったら買ってくれ)

購入推奨度Cは私の個人的な性癖に基づいた推し作品です。
あとAとBで書きすぎたのでここからはざっくり行きます。
 
  • まおてん 

 購入推奨度Cの最初はきゃんでぃそふとのまおてん。

タイトル

まおてん
発売日 2018年6月29日
発売元 きゃんでぃそふと
シナリオ さかき傘
原画 天海雪乃
 
つよきすNEXTコンビが送る、ドタバタ系のファンタジーです。
シナリオのさかき傘先生はAで紹介した金色ラブリッチェも手掛けている実力派。
ご近所話から始まり、次第に壮大に世界を巻き込んでいくシナリオに変貌していく様は是非プレイしてもらいたいところ。
 
 
  • ひめごとユニオン

次はひめごとユニオン。

タイトル

ひめごとユニオン
発売日 2013年9月27日
発売元 SEVEN WONDER
シナリオ 下原正、椎原旬、丸谷秀人、もみあげルパンR
原画 たけやまさみ、川原誠
 
主人公の星守才蔵は学生の身でありながら忍者であるという秘密を抱えており、
それぞれ秘密を抱えた4人のヒロインたちとの交流を深めていく。
といった感じ。賑やかで楽しいキャラゲーです。
 
 
 
最後はオトメ*ドメイン

タイトル

まおてん
発売日 2016年6月24日
発売元 ぱれっとクオリア
シナリオ NYAON
原画 館川まこ
 
発売前から話題になり、湊くん旋風を巻き起こした話題作。
湊くん可愛い

湊くん可愛い

湊くん可愛い
以上です。
 
 
以上、おススメ記事でした。
あと1日しかないけど、気になったのがあったら買ってね!

【まとめ】感想ブログを書くにあたっての著作権の取り扱いについて【エロゲメーカー編】

好きな剣はダーインスレイヴ。抜剣!

どうもこんにちは八街です。

 

今回のブログは、感想を書くにあたって重要な著作権の取り扱いについて、自分用も含めメーカーごとの対応をまとめていこうかなと思います。

 

"けん"は"けん"でも著作権の"けん"です。

冒頭のあいさつは全くの茶番です。

 

なお今回は感想を書くにあたって必要な「テキスト」および「画像」の著作権についてのみピックアップいたします。

音声等については参考にしたリンクを貼るので、そちらをご確認ください。

 

それではサクッとまとめていきましょう。

 

 

 

あかべぇそふとは自社の作成した画像およびゲーム内画像、テキストの使用を全面的に禁じています。

きゃらぶれーしょんの感想を書いた際は、当初スクショをぺたぺたしていたのですが、ガイドラインを読んで泣く泣く全削除しています。

無念。

 

www.akabeesoft3.com

 

暁WORKSあかべぇ系列のブランドなのですが、

あかべぇとは違い公式ホームページ内の画像に限り使用を許可しています。

ただゲーム内画像については一切禁止なので、その点だけ注意。

 

www.akatsukiworks.com

 

お次はAQUAPLUS。こちらはかなり厳密に素材利用のガイドラインを記載してくれています。

ゲーム内画像についても引用ガイドラインを守っていれば掲載を許可しています。

ただしネタバレは厳禁とのこと。

 

aquaplus.jp

 

ブランドサイトには記載が無かったので、親会社のガイドラインを持ってきました。

非営利目的であれば申請無しで利用可能、ただし著作権表記を記載してね、とのこと。

 

ancr.jp

 

アストロノーツ系列は著作物の許諾の無い使用を全面的に禁じていますね。

文面的には問い合わせして許諾出ればOKなのでしょうが、中々骨が折れる……

 

www.astronauts.co.jp

 

アミューズクラフト系列はゲーム内画像については体験版部分のみ認めており、それ以外は使用禁止とのこと。

ホームページ画像については非営利目的且つコピーライトの記載を行ったうえで使用可能。

 

amusecraft.com

 

ホームページ素材については個人利用のみ可能。

サイト内のCGおよびゲーム内のCGについては非営利目的の場合使用可能。

ただしコピーライト記載のうえ、ネタバレ画像の使用は禁止。

 

www.alicesoft.com

 

非営利目的に限り、体験版部分の使用は可能。

暫く動きが無いALcotですが、大丈夫なのでしょうか……

 

www.alcot.biz

 

非営利目的に限り、コピーライトを記載すれば使用可能。

 

www.gungnir.co.jp

 

インターハートきゃんでぃそふと共通でホームページ内の素材は再配布/無断転載の禁止を明記したうえで使用可能。

ゲーム内素材については体験版を除き使用禁止。

いつかまおてんの感想とダイマ記事を書きたいところ。

 

www.interheart.co.jp

www.candysoft.jp

 

ウィルプラス系列もホームページ掲載の素材のみ、著作権表記を含めたうえで使用可能。

ゲーム内素材はすべて使用禁止。

ensembleの乙女シリーズ、新作はまだですかね……

 

www.will-japan.co.jp

 

非営利目的でのホームページ素材の利用は可能。

ゲーム内画像については使用禁止。

悠久のカンパネラ、楽しみですね。

 

windmill.suki.jp

 

 

基本は他メーカーに近しく、ゲーム内素材は使用禁止、ホームページ素材はコピーライトが含まれているものは使用可なのですが、

コピーライト付き素材はメーカーに事後連絡が必要、

コピーライトが付いてない素材は事前にメーカーへの連絡が必要となっています。

 

www.eukleia.co.jp

 

  • AUGUST

AUGUSTが展開するすべてのコンテンツにおける公式素材の使用が可能。

ただし、ネタバレは注意喚起を、性的表現はプレイ動画にしないでねとのこと。

AUGUSTさん、新作はまだかね……

 

august-soft.com

 

全面的に使用禁止。気を付けよう。

 

www.cuffs.co.jp

 

  • 戯画

戯画系列は非営利目的の場合のみ、ゲーム内画像も含め投稿を許可しているみたいです。

ちなみに動画配信の規約がかなり優しく、体験版程度の配信なら各プラットフォームの収益機能をONにしてもよいという太っ腹。

 

www.web-giga.com

 

画像は縮小して引用、ネタバレCGは目につきにくいところへ、大量掲載は禁止、

の条項を守れば基本的にゲーム内素材も掲載OKとのこと。

FANZAのセールでMaggot baitsを買うか悩み中。

 

clockup.net

 

製品内のデータに関しては一切の使用を禁止。

 

clochette-soft.jp

 

ホームページおよびゲーム画像の無断転載は一切禁止。

具体的な利用法をメーカー側に連絡したうえで、許諾が下りれば転載可能。

サクラノ刻、ずっと待ちます。

 

www.makura-soft.com

 

  • CIRCUS

ホームページの画像については使用可能。

ただし条件がちょっと細かいので下記参照。

また、ゲーム画像については一切禁止。

 

circus-co.jp

 

  • シルキーズプラス

画像・テキストの使用は一切禁止。

ただし体験版に関してはプレイ動画配信は許可されている。(体験版部分の画像使用は不可?)

 

www.silkysplus.jp

 

非営利の個人サイトのみ使用を許可する。

画像の場合、サイト指定のコピーライトを記載すること。

また、画像の使用は3点まで。

 

www.nitroplus.co.jp

 

公式サイトで配布されているフリーウェブ素材以外の使用は禁止。

テキストについては2~3文程度の引用なら可、とのこと。

分かりやすくていいですね。

 

project-navel.com

 

  • NEXTON系列

素材の配布を目的としなければ使用は可能。

ただし、引用元ブランドの著作物であること、引用元の製品名を明記すること。

また、1ページに付き1タイトル4枚まで使用可能。

 

nexton-net.jp

 

ちょっとわかり辛いんですが、体験版ならOK。

製品については全面的に禁止、という感じでしょうか。

 

www.clearrave.co.jp

 

ビジュアルアーツ系列は大元の方でガイドラインがまとまっていなかったので、主要ブランドだけ個別でピックアップします。

 

  • Key

Keyに関しては個人の利用且つ作品紹介目的に限り、

1ページにつき、1タイトル5枚までの制限の元使用可能。

また、コピーライトの表記と、メーカー指定の無断転載禁止の文言を記載すること。

 

key.visualarts.gr.jp

 

個人利用に限り、公式ページで公開されている画像のみ使用可能。

また、メーカー指定の無断転載禁止の文言を記載すること。

 

sagaplanets.product.co.jp

 

  • FAVORITE

非営利且つ個人利用に限り、ネタバレは禁止の上使用可能。

また、コピーライトを明記すること。

 

www.favo-soft.jp

 

  • HOOKSOFT系列/ASaProject

アサプロの公式サイトには、

作品紹介に限りホームページのCG素材を使用可能と明記あり。

 

www.asa-pro.com

 

HOOK系列としては、

営利目的でない弊社製品の引用、転載については素材配布が目的でない限り、特に制限を設けません。

とあるのですが、コレ二次創作のガイドラインでして、

感想ブログが二次創作に値するのであればこれに従えばいいのですが、ちょっとよくわからず……

有識者がいらっしゃればコメントくださると幸いです。

一旦はアサプロのルールに従っておけば良さそうかなとは思います。

 

www.hook-net.jp

 

  • FrontWing

非営利目的に限り、ホームページにて配布されている画像は使用可能。

ゲーム内の素材については禁止。

また、上記のルールは一部作品には適用されないので、公式サイトをチェックしよう。

(パッと見た感じ、グリザイア全般・ISLAND・果つることなき未来ヨリ・ゆきこいめると・イノセントガールとかが書いてない?)

 

frontwing.jp

 

 

  • ま~まれぇど

非営利且つ個人利用に限り使用可能。

 

www.web-marmalade.com

 

ホームページにある素材については配布目的でない場合使用可能。

ただし、みなとそふとの著作物であること、無断転載を禁止することを明記すること。

ゲーム内の素材についてはテキストの一部引用を除き、原則使用禁止。

 

www.minatosoft.com

 

ホームページの画像・体験版の画像については利用可能。

また、コピーライトを明記すること。

 

www.moon-stone.jp

 

 

非営利且つ個人利用に限り使用可能。

ただし、50%以下に縮小の上、コピーライトと無断転載禁止の文言を記載すること。

 

www.yuzu-soft.com

 

画像についてはコピーライト・無断転載禁止の旨を記載の上、自由に利用可能。

ただしネタバレ等には配慮してねとのこと。

 

www.liar.co.jp

 

個人利用以外は全面禁止。

 

whirlpool.co.jp

 

 

と一旦はこんな感じですかね。

抜けているメーカーについては、純粋に漏らしていたり、感想を書く系のゲームを出していなかったり、

そもそも著作物に関するガイドラインの記載が無かったりといった感じです。

他に追加してほしいメーカー等あればコメントいただけると幸いです。

適宜更新していきますので。

 

それではみなさん、良き感想ライフを。

【感想】きゃらぶれーしょん! ※ネタバレあり

※過去ブログからの再掲になります

 

こんばんは。

エロゲの女装主人公大好きマンです。

 

というわけでさっそくエロゲの感想を書いていきます。

今回プレイしたのは

「きゃらぶれーしょん!乙女は恋してキャラぶれる」

です。

 

www.akabeesoft3.com

 

ラム〇ーションだのアッ〇レーションだの、ちょっと評判のよろしくないゲームタイトルが連想されそうなタイトルの本作ですが、あらすじとしては

 

主人公の伊吹六花は、従妹のお嬢様である桜木灰を支えられる執事になるため、

上流階級のお嬢様が集う「凜華学園」のシンシアリー科(執事やメイドを育成する学科)に通っていた。

そして、ついに学園に後輩として灰お嬢様が入学してくるのだが、

入学早々トラブルを起こしたお嬢様は男子禁制の矯正女子寮「監獄」に入れられてしまう。

彼女を助けるべく、六花は女装メイドとして監獄に潜入する……。

 

といった女子校・女子寮潜入モノのほぼほぼテンプレあらすじとなっています。

 

また、タイトルにある通り、このゲームのメインキャラたちは適度にキャラぶれを起こします。

その辺りはこの後の感想で紹介しますね……。

 

  • はじめに

このゲームですが、手放しで全部褒められるほど良い作品、というわけではないです。

それでも、一部シナリオの根底にあるテーマが私に刺さったので感想を書いています。

もし私の感想でやってみたい!となった方がいるなら、そこまで期待せずにプレイしてくだされば、「アレ……?これすっごい良くない…?」と思えるのではないでしょうか。

あと女装主人公好きと北見六花さん好きな人には問答無用で推します。買って♡

 

 

以下、ネタバレを含みます。

 

  • キャラと個別ルートについて

伊吹六花/ユキ CV.くすはらゆい(ユキ時のみ)

本作の主人公且つメインヒロイン。

女装主人公によくあるハイスペック家事万能系主人公で、従妹である灰の執事になるため日々邁進する努力家。

子供のころに灰に「王子様みたい」と言われてから、灰の前では凛々しく振舞っている。

が、本当は気弱で、虫が苦手といった女々しい面をひた隠しにしている。

もう一度言います。

本作のメインヒロインです。

その理由は後ほどお話します。

 

もうこの子の可愛いのなんの……本作の魅力の7割はこの子といっても過言ではないです。

 

 

一ノ瀬雪亜 CV.杏花

本作の多分メインヒロイン。

 

どうしてこんな評価かというと、共通√途中からの出番の少なさに起因しているかと。

監獄という女子寮をメインに展開していくシナリオの関係上、ヒロインの中で唯一監獄に住んでいない雪亜は、必然的に出番が少なく……といった感じです。

 

そんなちょっとだけ不憫な雪亜ですが、シナリオ内でも結構不憫です。

と言っても、主人公は雪亜の身分を借りて女装しているので、

主人公がやらかす=雪亜がやらかす、といったことになってしまうので。

(なお、雪亜自身は双子の姉妹である美麗の身分を借りています。その辺はあとで解説)

 

 

桜木灰 CV.北見六花

本作のメインヒロインだと私は思っています。

CVは我らが北見六花さんです。

 

このヒロインを一言で表すと山賊です。

主人公である六花の前では病弱なお嬢様を気取っているのですが、

その本性はジャイアンです。ガキ大将です。

とある√では男装ヒロインのバイト先に現れて……

 

「今のは録画させてもらったわ!バラまかれたくなかったらお兄様と別れなさい!」

 

などと脅し始める有様。完全に賊である。

 

正直登場人物の紹介はこの3人だけで大丈夫です。

あとはちょっと雑になってしまいますがサクッと紹介すると

 

天鳳院姫芽 CV.白月かなめ

男装ヒロイン。でも中身は純情乙女。

夢乃有珠 CV.八尋まみ

飛び級で学園に入学している情報系天才児。

月ヶ瀬灯 CV.逢真井もこ

名前は灯と書いてころなと読みます。

ギャル系ヒロイン。芸術一家の出身で本人も画家の卵。

 

ここからは個別√の感想となります。

本作の個別√のテーマとしては「本当の私」というのが妥当かなと思います。

お兄様として格好つけてるけど、ほんとは女々しい六花

威風堂々とした振る舞いをしているけど、ほんとは人の前や上に立つのが不得意な雪亜

病弱なお嬢様を演じているけど、ほんとはただのガキ大将だった灰

男装をして凛としているけど、ほんとは誰よりも乙女な姫芽

六花に対しては甘えん坊だけど、ほんとは周囲に壁を作って強がっている有珠

えっちなことNGだけど、ほんとは別人格が出来てしまうくらいドスケベな灯

 

ちょっと最後だけ何か違う気がするけど……まぁいいか。

 

そんな「本当の私」を、自分が、そしてあなたが受け入れる。

といったコンセプトがあったと思ってます。

 

そのコンセプトを良い感じに体現しているのが灰√でした。

 

灰を落胆させないために、「お兄様」を演じる六花

六花を落胆させないために、「お嬢様」を演じる灰

 

お互い「本当の私」を見せないように過ごしてきた二人が、

監獄での生活の中で、期せずして素の自分をさらけ出していくようになります。

そしていつしか、演じていた人格よりも素の人格にお互い惹かれていきました。

 

√終盤で、監獄メンバーでシンデレラの演劇をすることになり、当初は六花が王子役、灰がシンデレラ役だったのですが、紆余曲折あって最終的に六花がシンデレラ役、灰が王子様役になってしまいました。

 

その中で六花は自分の気持ちに気づき、

「カッコよく自分を引っ張ってくれる」灰に仕えるため、お兄様でいることを辞め、

灰も「どんな時も優しく寄り添ってくれる」六花を引っ張っていくため、

お嬢様でいることを辞めました。

 

この点を以って、六花/ユキはこのゲームのメインヒロインだと私は思いました。

 

そうして2人は、変えたいと思っていた「本当の私」を好きになり、

「本当の私」を好きになってくれた人と幸せに過ごしていくのでした――。

 

とまあそんな感じで、演劇での役の入れ替わりと、六花と灰の感情の切り替わりがシンクロしていて、とても良い演出となっていました。

これが原因で私は、「このゲーム本質だけ見ると灰√以外要らないんじゃね??」とか思ったりしたりしています。はい。

 

まぁそんなことは無いんですけどね。Hシーンだけ見ると灯√のワンシーンが最高でしたし。

(それについてはもうちょい後で語ります)

 

総評としては、

女装するうちに精神面も女性に近づいて、灰ちゃんにメイドとして仕えることに何も違和感を感じなくなってしまったユキちゃん可愛い。

です。

 

 

  • Hシーンについて

私は、女装主人公ゲーというわりかしニッチなジャンルのゲームが好きなのですが、

理由としては​​​​​​​

  • 主人公が可愛い
  • 女性優位なシチュエーションが好き
  • ちょっと虐められてるとなお良し
  • 主人公が可愛い

といったものが挙げられるのですが、このゲームにはそれらを高水準で満たすシーンがいくつかあります。

その最たるものが、

灯による主人公への逆ア〇ルファ〇ク

です。

 

えぇ分かってますとも。

女装主人公というニッチな性癖の中でも、コレはさらにニッチな部類に入ると!!

それでも好きなものは好きなんです……!

 

ア〇ルを他人に晒し、あまつさえペニバンを入れさせるということは、

相手に対する最大限の信頼・屈服の証明なんです!!

 

そしてこのシチュエーション、お互いが慣れていない場合だと、

ペニバンをしたヒロインが女装した主人公のア〇ルを犯すという、

誰も気持ちよくならない状態のあるシチュエーションなんです…!!

 

しかし!!

ヒロインにとっては、主人公が自分の欲望を受け止めてくれているという精神的充足感が、

主人公にとっては、普段経験することのない、異物が自分の中に入ってくるという感覚によって生まれる女性的幸福感が生まれることにより、興奮はマックスハートを超えて、肉体の快楽にも影響していくのです!!!

 

とまぁご高説を垂れておりますが。

もうちょい欲望に忠実に言うと、「ア〇ル犯されて色々と限界だけど愛されてることを実感してだんだん快楽におぼれ始めるユキちゃん可愛かった」ってことです。

 

このシチュエーション、絶対に刺さる人が私以外にもいるはずなんです!!

なので私はこのゲームを推していきたい……全力で!!!!

 

 

以上、「きゃらぶれーしょん!乙女は恋してキャラぶれる」の感想でした。

 

支離滅裂な駄文を読んでくださいまして、ありがとうございました。

11月にはensembleの乙女シリーズ新作も控えていますし、今年も女装主人公ゲーは安泰ですね!!

【感想】みにくいモジカの子 ※ネタバレあり

※過去ブログからの再掲になります

 

どうもこんばんは。

私は「グラブル」というソシャゲをプレイしているのですが、

ゲーム内のギルド的なものである「騎空団」のメンバーの方から、

「感想文を提出して」

と脅さr......言われたので感想を書いていきます。

 

今回感想を書くのは、Nitro+より発売された

みにくいモジカの子

です。

©Nitroplus

 

もうパケ絵から不穏さを醸し出しているこちらの作品。

シナリオは下倉バイオ先生で、

原画ははましま薫夫先生です。

 

エロゲ界隈に詳しい方でしたら、もうこの時点で気づかれるでしょう。

あ、この作品どう考えてもやべー奴だ。と。

 

大体その認識で間違いありません。それでは感想をば。

 

※以下ネタバレを大量に含みます。

 

  • あらすじ

主人公である種崎捨は絵にも描けないほどの醜い外見を持っており、

それを理由にいじめられていた。

捨は他人の心を視ることができる「モジカ」という能力を持っており、

それを視たくないという理由で常に俯いたまま暮らしていた。

しかし、密に恋心を抱いていたクラスメイトより嘘の告白をされたことがきっかけで、

捨は学園への復讐を決意する……。

 

  • 登場人物

種﨑捨

主人公。醜い外見を理由に虐められている。

その行動の性質から、結構人格的にもクズな発言や行動が多いけど、

そこまで非情にはなれないんだなー、というのがとても人間らしい主人公。

「モジカ」の能力で色んな人に復讐をしようとするけど、そもそもの対人スキルが低いため、

ちょっとトチることの方が多いお茶目(?)な面も。

 

双葉みゆ CV.懸田毬絵

クラス内カーストが捨に次いで低く、虐められているヒロイン。

いじめの一環で捨に嘘の告白をする。

他人の顔色を窺って過ごしているため、学内の人間関係に精通している。

それを利用して、捨と共に学園への復讐を試みる……。

作中で一番可哀そうなことをされる子。

復讐が上手くいきだすと段々とヤバい本性を露わにしてくれます。

©Nitroplus

怯え顔が可愛い。

 

四月一日胡頽子 CV.水奈月ひなん

名前が読めない。

これで「つぼみ ぐみ」って読むらしいです。すげー。

ガジェット系に詳しく、学内で全校生徒に配布されているタブレットのフィルタリングの解除などを請け負っている。

そしてそのタブレットにウイルスを仕込んで、他人のプライバシーを盗むこともしばしば。

と、中々の曲者。自分の√では超絶ド変態になります。

 

 

九鬼綺羅々 CV.あかしゆき

いじめの主犯格。

話を紐解いていくとどんどん可哀そうになってくる系ヒロイン。

まぁやってることがクズなので自業自得って言われたらその通りなんですけどね……。

それ以外は特に語ることなし。まぁ悪くないヒール役です。

 

花椿 CV.木村あやか

私の癒し。

学園のある樹望町に存在する「魂正神社」の巫女。

「モジカ」の力をもってしても心を読めないという特徴を持つ。

その原因はまぁ後ほど解説するとして、彼女の√では欠落した彼女の感情を戻そうと主人公が奮闘する、といった他のヒロインの√とは毛色の違うものとなっています。

 

©Nitroplus

かわいい。

 

許斐鳴子 CV.桃井いちご

ラスボス系ヒロインになれなかった残念な生徒会長。

euphoriaの合歓のなりそこない。

ぶっちゃけた話をしてしまうと、主人公に起きる様々なことの原因がだいたい彼女に収束している。

が、最初にみゆ√に入ってしまうとただの小物生徒会長と勘違いしてしまいがちなので、黒幕とは気づかないということも。

私はまんまとそれにハマり、鳴子√にたどり着くまでに幾度ものバッドエンドを繰り返しました。

 

©Nitroplus

こんなの噛ませだって思っちゃっても仕方がないです。

 

  • 各ルートについて

​​​​​​​個別√についてですが、鳴子√はTRUE扱いなのでまずは他の子の√から。

みゆ、胡頽子、綺羅々、椿の4名の√に共通するものは

ヒロインが「本当に欲しているもの」を主人公が何らかの方法で与える、といった話になっているところだと思ってます。

みゆには「復讐」を。

胡頽子には「欲望の解放」を。

綺羅々には「本当の愛」を。

椿には「感情の揺れ動き」を。

それぞれ与えていると思いました。

いや……正直胡頽子√と綺羅々√は色々と破滅的すぎて、上に書いた字面に見えるちょっと幸せそうな雰囲気なんかは全くございません。

ヒロインからしたら幸せだったんでしょうが、周りから見ると完全に破綻してます。

じゃあ他の2ヒロインは幸せだったのか?と言われるとそれもNOです。

みゆ√も椿√も主人公ヒロイン共に幸せそうに終わるのですが、

みゆ√にて、心からの笑顔を見せたみゆを見た捨は、とても幸せそうにしていましたが最終的にそのみゆに殺されちゃいますし。

椿√は、まぁ二人は幸せなキスをして終了みたいな感じになるのですが、それも全部幻覚だったりしますし。

まぁ、捨が当初の復讐という目的を次第に忘れ、

ヒロインの心から求めているものを与えようと奔走する様は見てて清々しかったです。

その過程はぜんっぜん清々しくないですけどね!!!!!

 

  • TRUEエンドについて

TRUEエンド感想の前に、ちょっと必要な情報を列挙させていただきますと

 

・学園のある樹望町には「コンセイサマ」と呼ばれる異形が祀られている。

・「モジカ」こと「他心通」の能力はコンセイサマに飲み込まれて、生きて帰った人が持っている

コンセイサマに飲まれると持っている欲望を増幅させられ廃人となってしまう

・そのために「カンヌキ」という心を読ませない能力を持つ人がいる。巫女の椿などがそれにあたる。

・樹望町は古来よりコンセイサマと孤児を利用して他心通を持った人間を生み出し、世に輩出してきた

・捨だけでなく、実は鳴子も元孤児で捨とは幼馴染。他心通を手に入れたため永業の養子となった。

・鳴子は永業に復讐するため捨に「カンヌキ」を習得させようと――

いやいや待て待て待て。必要な情報が多すぎる。

ちなみにこの情報の8割くらいがTRUE√確定してから明かされる情報です。

超絶勘のいい人じゃないと他√をやっているだけでは気づきません。

 

まぁつまり、今までの捨への仕打ちはすべて鳴子が仕組んでいたことでした。

ということです。

しかしここで残念な点が一つ。

今までの行動は、捨にカンヌキを習得させ、同じく他心通とカンヌキを持つ永業に対抗する戦力にするための行動だったはずなのだが、

 

鳴子は、特に捨を利用することなく永業を出し抜いて、そのまま殺してしまいます。

 

…………。

 

貴様、そんなことのために椿ちゃんを寝取ったのか!!!???

 

……捨の心を折るための行動として、鳴子が椿の心を開く、という展開があるのですが。

ちょっと説明すると、TRUE分岐する際に、捨はコンセイサマに飲まれかけている椿を見捨ててしまうのです。

(椿√ではそれを助け出すという展開になる)

なお、椿√では、助け出した椿の心を開くため、主人公が頑張って、そうやって心を開いた椿は主人公を愛してくれる、という結構幸せな話になるんです。

椿の心をモジカしたものの中には、唯一「気持ち悪い」や「醜い」といった、捨を嫌悪する言葉が無かったのです。

だからこそプレイしてて幸せを感じられましたし、あぁ、良かった……となったわけなのです。

まぁ結局コンセイサマ倒そうとして失敗して夢オチエンドになるんですが。

 

話をTRUE√に戻しますと、そんな椿が、鳴子のことを様付けで呼び、

縛られた捨の目の前で、鳴子とペニバン百合ックスしながら、

捨のことを「気持ち悪い」「醜い」と全力で嫌悪するのです。

 

別に√分岐した話なので、こういうのはだいぶ間違っているとは思うのですが、

すっごい寝取られた気分でした。

私の心はそこで折れてしまいました。(豆腐メンタル)

 

その時はもう辛くて辛くて。

前述した騎空団の方がいるDiscodeのボイチャ鯖に入って、

「ヒロインにヒロインを寝取られた~~~~~~」

と一見意味の分からないことを、開幕早々のたまったくらいでした。

 

とまぁそんな感じで。

行動の割には結局意味なかったよね?という展開に、少しだけ唖然としてしまいました。

以上、TRUEエンドの雑感です。もうちょい話すことはあるのですが、それは総評で。

 

  • 総評

​​​​​​​TRUEの感想がちょっと雑な感じで終わってしまいましたが、

このゲーム基本的に高水準でまとまっており、流石はNitro+といった感じでした。

とくに、相手の顔を見るor見ないで分岐していく展開は目を見張るものがあり、

通常の選択肢を提示されるよりも攻略難易度が跳ね上がっており、とても楽しかったです。

 

↑攻略中に自分でまとめていたスプレッドシート。BADハマりしているのがよくわかる。

 

このゲームのシナリオが最終的に言いたかったこととしては、

「美しさの中にも、醜さがあり。醜さの中にも、美しさがある。」

ということだったかなと感じています。

それは鳴子と捨のことだったり。まぁ世の中すべてのことに言えることなんじゃないかなと思います。

 

また、追い詰められた人の精神描写が、他作品とは違った視点から切り込まれていて、

他人の心を読める主人公ならではの、良い描かれ方だったと思います。

 

だからこそ、諸々の元凶である鳴子の動機の説明や必要性が乏しく、その辺が残念なところではあるのですが……。

 

ですが、企画した人が、やりたいことはやった!というのが分かる作品だったので、

これをベースにもっと追求された作品が生まれることを期待しております。

 

以上、「みにくいモジカの子」感想でした。

またも支離滅裂な感想を読んでいただきありがとうございました。

 

原稿用紙3枚分と言われた感想がいつの間にか原稿用紙10枚分になっていたのですがそれは……。

 

 

正直、比較対象としてeuphoriaが挙げられちゃうのが分が悪いというかなんといいますか……。

 

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ニトロプラスの許可の上でニトロプラスの著作物を引用しております。

これらは他への転載を禁じます。
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【感想】スマガ ※ネタバレあり

好きな魔法少女アニメはリトルウィッチアカデミア

どうもこんにちは。八街です。

 

記念すべき1つ目の感想記事ですが、

2008年にNitro+さんより発売された、『スマガ』の感想を書いていきたいと思います。

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©Nitroplus

 

うん。13年前のゲームです。

いつのゲームの感想書いてるんだって話だけど、まぁやったことなかったからですよね。

 

最近は良い時代になりました。

どこのメーカーもFANZAさんやDLSiteさんでダウンロード版の販売を展開してくれているし。

さらに展開してくれている作品の中には既にロットアップしているものもちゃんと含めてくれているという。

 

そんなわけで最近では自分が成人する前のゲームを買い漁っていたというわけです。

 

とまぁ与太話はさておき、早速感想に入って行こうと思います。

 

 

 

  • スマガとは

  • 作品情報

基本的な情報は以下の通り。

タイトル

スマガ
ジャンル 人生リベンジADV
発売日 2008年9月26日
発売元 Nitro+
シナリオ 下倉バイオ
原画 津路参汰

 

シナリオ 下倉バイオさん × 原画 津路参汰さんという、

Nitro+を知ってたら知らない人はいないであろうコンビですね。

 

このコンビの作品としては「君と彼女と彼女の恋。」や「アザナエル」があります。

ちなみにどっちもプレイ済みなので、いつか思い出に浸りつつ感想書くかも。

 

  • あらすじ

空から襲う巨大な悪魔と平和を守る魔女の戦場となり、滅亡の危機に陥る伊都夏市。

ある日主人公は、何故か記憶喪失で大空から落下していること に気づく。いきなり絶対絶命のピンチの中で、焦る主人公。そんな彼の前に突然、彗に跨って空を飛ぶ3人の少女たちが現れた。主人公を尻目に空中で不可視の巨大怪獣と命懸けの戦いを始める少女たち。いきなりの非現実的な状況に混乱する主人公だったが、落下している現実は覆ることなく、地面に激突して死んでし まう。

――再び意識を取り戻すと、そこは天国、神の国だった。永遠と広がる何もない空間の中、目の前の巨大なテレビに映し出された、幼女がこう告げる。「わたちは神様でち。生き返りたいでちか?」

果たして彼は、彼女たちの、そしてセカイの運命を変えることができるのか?

 (ニトロプラス 『スマガ Nitro The Best! Vol.6』 作品説明より引用)

 

  • どんなゲーム?

スマガがどんな作品なのか、ざっくりと説明すると。

主人公は、『魔女エトワール』と呼ばれる3人のヒロインたちとの仲を深めながら、

死んでしまった際に特定の分岐点から生き返ることのできる力を駆使して、

悪魔ゾディアック』と呼ばれる敵からセカイを守る、そんなお話です。

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画像左から魔女の「ガーネット」「スピカ」「ミラ」。本作のヒロインたち。 ©Nitroplus

 

現代風に言うと「死に戻り系」の作品ですかね。

また、「ポスト・アポカリプス的な世界でのボーイミーツガール」や「戦うことを宿命づけられたヒロイン」、

「主人公とヒロインとの関係が世界の命運に関わってくる」といったところから、

セカイ系」の流れも汲んでいる作品になっています。

 

ただ、タイトルロゴやCGの雰囲気からも分かる通り、

本作は他の死に戻り系作品に対し、比較的ポップな雰囲気で作られています。

なので、あまり陰鬱すぎるのが得意ではない人にもお勧めできるかなと思います。

 

というところでざっくりとした作品説明は終わり。

ここから先はネタバレ前回の感想になるので、ここまでを見てやってみたいなぁってなった人は今すぐFANZAくんに行ってください。

 

 

 

  • シナリオ構成について

本記事においては、スマガのストーリー構成を分かりやすく称すために、

最初から進めていくことで回収できるスピカ√・ガーネット√・ミラ√の3つを第一章、

第一章の後に回収していくことになる日下部√・沖√・新スピカ√・新ガーネット√・新ミラ√の5つを第二章、

第二章の日下部√と沖√を回収することで始まるTrueENDを終章と呼ぶことにします。

 

  • 世界観

まずスマガにおけるセカイの常識について簡単に説明すると、

 

舞台は日本の「伊都夏市」。 

伊都夏市は突如発生した半径50キロ程度の半球体、「天蓋グレンツェン」に囲われており、

定期的にその天蓋を突き破って現れる「悪魔ゾディアック」に襲われていた。

悪魔を退治できるのは、「魔力リネア」を行使できる「魔女エトワール」だけ。

そして、人類の敗北条件は、魔女の本拠地である「天象儀カールツァイス」を悪魔に破壊されること。

 

悪魔の襲撃に耐えられない人々は、天蓋の外に逃げ出すこともあった。

しかし、人類は天蓋の外に出るとそれまでの記憶を失ってしまう。

そのため、自己の喪失を厭った人々は伊都夏市で暮らすことを受け入れている。

 

また、稀に天蓋を突き破って現れる人間を確認しており、

基本的には伊都夏市に受け入れることになっているが、

その人間が「前世の記憶を持っている」などといった場合は、天蓋の外へ追い出すこととなっている。

 

といった感じですね。

 

ここでは各キャラクターについてざっくりと語っていこうと思います。

  • 主人公

天蓋を突き破り、記憶喪失で伊都夏市上空に現れたときに魔女たちに発見され、

救出を約束されるも、悪魔に邪魔をされたことにより失敗。

ギリギリのところで助けに来たスピカ諸共地面にたたきつけられて1度目の死を迎える。

その時のスピカの言葉が彼の行動原理となり、望まない戦いをさせられている魔女を救うことを誓い、人生リベンジを始めるのだった。

 

というのがシナリオ次第で「オザキ」だったり「ユーマ」だったり「うんこマン」と呼ばれる本作の主人公くん。

彼は非常に真っ直ぐな性格をしており、

上手くいったときは調子に乗りやすく、大きな失敗をしてしまったときはすぐに折れてしまいます。

そう言った小市民的な人間味が、彼の良いところであり、この物語をハッピーエンドに導くカギになっています。

 

  • スピカ 

天蓋を突き破って現れた主人公が最初に出会うヒロイン。

自らを天才魔女と称する高飛車系お嬢様。

誰に対しても高圧的に接するが、その内には魔女として戦い続ける運命に対する諦観がある。

 

  • ガーネット

スピカとは正反対の庶民派魔女。

性格は基本的に温厚だが、料理とお金が関わると積極的になる所帯じみたヒロイン。

過去に兄を亡くしており、その影を主人公に重ねている。

作中で一番可哀そうな目に遭うヒロイン。バイオさんガーネットに謝って。

 

  • ミラ

スピカやガーネットが自分の本心を隠しがちなのに対し、フルオープンな直情型ロリ魔女。

他人の心の機微に聡く、嘘をついているか否か、本心からの言葉か否かが分かってしまう。

スピカとミラのことを何より大事な仲間だと思っており、世界の平和と彼女たちの幸せを心から願っている。

 

ミラがいなかったらどのEDも全部BADだったのでは?って思うくらい大事なキャラ。

 

  • 日下部雨火

謎の着ぐるみ盗撮女と名高い伊都夏大学園新聞部の部長。

セカイの真実を知ることを何よりの目的とし、魔女たちの陰で暗躍している。

時に過激な妄想にトリップしてしまうのが玉に瑕。

 

彼女のシナリオが個人的には一番好きです。詳細については後述。

 

  • 沖姫々

伊都夏大学園の生徒会長であり、防衛軍の総司令官。

防衛軍とは魔女の力に頼らず、現代兵器を利用して悪魔に立ち向かおうとしている軍団のこと。

元防衛軍の総司令だった父を亡くしていることから、魔女を信頼しておらず、

セカイは自らの手で守り抜くと豪語している。

真の姿は猫耳メイドらしい。

 

  • アリデッド

主人公の身元を引き受けた魔女たちの司令官であり、最初の魔女。

恐ろしいほどの魔力と迫力を持つが、私生活はだらしなく、エキセントリック。

スマガ自体はプレイしたことがなくとも、彼女の顔芸立ち絵を知っている人は多いでしょう。

 

私は最後まで彼女をヒロインとして見ることはできませんでした……

 

  • 各シナリオについて

  • 第一章について 

まずは第一章の内容について。

第一章はスピカ√⇒ガーネット√⇒ミラ√の流れで地続きになっており、

作中の回想では個別ENDの体を取っていますが連続した物語になります。

 

なぜこのような構成になっているかというと、

 

各エンディングで各ヒロインを救うことが出来なかったからですね。

 

スピカENDは、悪魔を倒して消えたスピカを追って主人公が自殺して終わり。

ガーネットENDは、悪魔の居ないセカイを作り出すも、それを維持しきれずセカイ自体が終わり。

 

確かにこんなエンディングだと後悔が残るよねってことで、

スピカもガーネットもミラもセカイも、全部を救おうとしたのがミラENDです。

(ミラENDと称していますが、まぁ実態はハーレムEND的なものだったりします)

 

そしてミラENDでは、ついに悪魔を根絶し、魔女やセカイを救うことに成功。

人生リベンジ完了!やったね!!

 

ってなるはずなのですが。

悪魔を根絶する過程で、主人公は新たな問題を見つけてしまいます。

それが、この物語の根源となる、このセカイを作った少女の存在です。

 

  • "セカイ"の秘密

1章終了時点までで明かされる、このセカイの秘密について。

それは「このセカイは、魔女の認識により構成される」ということ。

 

スピカは「成体になった悪魔を倒すには自分が犠牲になるしかない」と思い込んでいたから、実際に戦いの末犠牲になった。

ガーネットがは「主人公は悪魔」だと思い込んでいたから、実際に主人公に悪魔の羽根としっぽが生えた。

 

ミラは「セカイは救える」と信じ続けたから、結果的に悪魔を根絶しすべてを救うことが出来た。

 

魔女たちは「自分たちは悪魔と戦い続ける宿命にある」と思い続けたから、

伊都夏市には悪魔が現れ続けていた。

 

セカイを紡ぐのは魔女の物語。

だとしたら、このセカイの始まりは何なのか。

 

それが最初の魔女、アリデッドです。

と、言いたいところなのですが。

本当の始まりは別のところにあります。

 

それが、主人公が生き返る前にたどり着く天国に時々現れていた、謎のメガネでおさげの少女です。

その名も川嶋。

 

いや、誰だよ川嶋。

 

一旦川嶋は置いておくとして。

ミラ√において川嶋から、

「このセカイは川嶋によって作られたこと」

「川嶋の映し身であるアリデッドの認識によりセカイが構成されていたこと」

「セカイの観測者たる神たちに見せるため悲劇が繰り返されていたこと」

が語られます。

 

そこで主人公は気付きます。

この川嶋という少女を救わない限り、ハッピーエンドとは言えないんじゃないか?と。

そして、ここから第二章が始まります。

 

  • 第二章について

第二章には、日下部√・沖√・新スピカ√・新ガーネット√・新ミラ√の5つの√がありますが、

この中で重要なのは日下部√と沖√の2つです。

他の魔女ENDは、第一章の救えなかった後悔を補完するための√です。

 

そしてここからは主人公が変わります。

第一章の主人公はミラENDを終えた時点で天国に招かれ、神様になったので、

第二章からはその分身である新しい主人公を神様視点で観測することになります。

 

それを分かりやすくするための演出として、第二章以降の主人公にはボイスが付きます。

観測者になった第一章の主人公が、テレビ越しに第二章の主人公を見ているから、という若干メタ的な演出です。

 

第一章の主人公とか第二章の主人公とか、表記が分かり辛くなるので、

ここからは作中の表記に従い、

第一章の主人公をかちかちうんこマン、

第二章の主人公をやわらかうんこマンと呼ぶことにします。

 

いや、ホントに作中の表現なんですよこれ。ふざけてるわけじゃないですからね。

 

というのはさておき、かちかちうんこマンはやわらかうんこマンの活躍を観測しつつ、

時にアドバイスを送りながら川嶋を救う方法を模索し始めます。

その過程で生まれるのが、本項の初めで重要だと言及していた日下部√と沖√です。

 

そしてかちかちうんこマンは、

日下部√で川嶋の心に寄り添うために必要なことを知り、

沖√でこのセカイの真実について知ります。

 

  • "セカイ"の真実

先ほどは"セカイ"の秘密として「魔女の認識がセカイになる」ことを書きました。

ここでは何故そのようなセカイが生まれてしまったのか、ということに言及していきます。

 

その原因は

「世界の終わりを川嶋が嫌がったから」

です。

 

はい、意味が分かんないですよね。説明します。

 

スマガには大きく分けて2つのセカイが存在しています。

まず1つ目は川嶋が住んでいた世界Aです。

そして2つ目が魔女たちが住んでいる世界Bです。

 

ちなみにこの世界AとB。

作中では世界Aは「世界」、世界Bは「セカイ」と表記されます。

終盤になると世界Aの話をしだすので、その時のアリデッドの語り口には注目です。

 

川嶋の住んでいた世界Aは、突如襲来した隕石の存在に成すすべなく、

滅びを待つだけの世界になっていました。

 

そんな中で、どうせ世界が滅んでしまうのならと、思いを寄せていた先輩に告白することを決心した川嶋は、先輩を天文台に呼び出しました。

しかし、直前になり諸々の恐怖に襲われた川嶋は世界が滅ぶことを拒絶します。

その時、新たな世界である世界Bが生まれました。

 

そして、世界Bには世界Aの情報が封じ込められ、永遠に続く悲劇が繰り広げられることになりました。

 

世界Bを生み出した川嶋の罪悪感は悪魔となり、悪魔は天象儀を襲い始めます。

天象儀にある原器を――この世界の真実を暴き立てるために。

 

  • TrueENDについて

世界の真実について知った主人公は、川嶋を救い出すべく行動に出ます。

そして主人公が取った行動は――アリデッドの攻略です。

アリデッドの攻略です。

 

いや、まぁそうなるのは必然なんだけど。

川嶋有里の半身であるアリデッドを攻略するのはそうなんだけど。

 

それはさておきアリデッドを味方につけ、川嶋を説得し元の世界に戻った主人公。

天文台で待つ彼女に駆け付けた彼。思いを伝え結ばれるも、

落下してくる世界の滅びは止まってくれない。

 

そこに突如現れた4つの光が、星を砕き、花火となった。

世界からの想いがセカイを作ったように、セカイの想いも世界に届いたのでした。

 

というところでハッピーエンド。めでたし、めでたし。

 

というのがスマガの大まかなストーリーでした。

 

  • 日下部√について

ここでは個人的に好きな日下部√について語らせてもらおうかと思います。

 

日下部√における命題は

「死に戻りしている人間との恋は成立するのか」

ということだと思っています。

 

日下部は、死に戻りをしている主人公に対して明確に拒絶を突き付けた唯一のヒロインになります。

 

例えばプレゼントを貰ったとして、

それが最初に選んだものなのか、反応を見て死に戻った末に選んだものなのか。

そんな言い知れぬ不安を抱えなければならない人と、恋愛なんてできない。

 

というようなセリフがあったのですが、それはそうだなと思いました。

このあたりのことは、死に戻りというジャンルであまり触れられて来なかったところなのではないかなと。

 

だからこそ、主人公と日下部は天蓋の外に出るしか選択肢が無かったし、

そのことにより主人公は、あのセカイでの恋は同じ視点を持つ人としか成り立たない、ということに気付きました。

(これが川嶋を救うためのヒントその1になっています)

 

セカイを取るか、愛しい人を取るか。

スマガにおいてはどちらも取って見せる、という回答を前面に押し出している中、

日下部√だけは、愛しい人を選び、そのエゴを貫きました。

 

導き出した結末は、どこか歪んでいたかもしれないけど、

お互いを想い合う2人はどこまでも美しいのだなと、ちょっとだけ思いました。

 

  • まとめ

どこまでもハッピーエンドを求める主人公の姿勢、

死に戻りとセカイ系を上手く組み合わせたシナリオの技量、

それらが合わさり、他の死に戻り作品には無いテイストになっているんじゃないかなと思います。

 

むしろこのあたりの作品が今の死に戻りジャンルの走りですよね。

やはり下倉バイオは天才じゃったか。

 

と言ったところで、今回の感想は締めさせていただきます。

乱文・散文・駄文をここまで見ていただきありがとうございました。

また次の感想でお会いしましょう。

 

アリデッド……顔芸さえなければ……

 

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